『オールド・ボーイ』(Old Boy)

あぁ、やっと観れた。正確に言うと、やっと観る気になった。髪の毛が爆発してるオッサンがトンカチみたいなの持ってるポスター。どんな話なのかあまり想像がつかない。もしAmazonビデオになかったら、TSUTAYAまで借りにいかないと観れなかったら、観てなかった。

僕、最後にツイストのある映画、いわゆる「どんでん返し系」の映画が好きで好きで、それはもう好きで、『アザーズ』、『アイデンティティ』、『エスター』、『ユージュアル・サスペクツ』、『サイコ』等々ガンガン観てた時期もあった。
そういう映画探す時ってネットで調べるんだけど、リストの中に一つだけ、他とは違う作品があった。言語が。
韓国映画だから、今まで遠ざけてた。そりゃ韓国語1ミリもわかんねぇし。
いやぁ、食わず嫌いはしちゃいけないよね。グリーンピースもちゃんと食べなきゃダメだよ!つってね。ちょっと違うか。
というわけで、人生初韓国映画。ちょっと緊張。気分は初めて回らない寿司屋に行った時のように、少しハイ。今まで韓国無しで生きてきた僕が、自分の中のなけなしの全韓国をもってこの映画と対峙する。傍から見たらそんな感じ。あんにょんはせよ?だっけ。
…もちろん何言ってるか全くわからなかった。でもなんとなくきいてて感じたのは、「〜セェヨォ!」みたいな語尾が多い。調べてみたら、これは丁寧な敬語表現だそう。なるほど、こりゃひとつ賢くなった。

肝心の内容についてなんですが。えっと…これはほんとにコメントに困る。(※ネタバレはないので安心してお読みください。)
内容としては、15年間監禁された後解放された男が、犯人は何者か、目的は何かを解き明かすために奔走するお話。
映画全体のトーンとして、描写が過激。グロ注意。多分普通に15禁です。鬱展開が続くけど、もうやめたげて〜ってなるけど、ラストのどんでん返しで気持ち良くなるために頑張って観た。個人的には、拷問中に歯を抜くシーンで、ヴィヴァルディの「冬」が流れてたのが非常に印象に残った。あのトヨタのCMの、バイオリンが結構忙しそうなやつね。

この映画、ラストである「真実」が明らかになるんだけど、それがもう超キョーレツ。これはしんどいわ。しんどいねー、しんどい。
どれくらいキョーレツかっていうと、僕が画面に見入って電車を二駅乗り過ごしたくらい。人によっては吐き気を催しちゃうんじゃないかってくらい。僕がこれまで観てきたどんでん返し映画のオチの中で、おそらく一番胸糞悪い。鼻から焼きそば出るかと思った。
どんでん返し映画って不思議なもんで、ラストでガツンと衝撃をくらわすことができれば、それまでがどんなにつまらなくても人々の記憶に残るのね。『猿の惑星』とかその典型で、ほんとにつまらないけどラストで全てをひっくり返すのがイイ。この映画も、鬱展開だけどラストのガツンがかなり効いてる。

正直、生半可な気持ちで観るのはオススメしない。さっき「ラストのどんでん返しで気持ち良くなるために」とか書いたけど、最後まで観ても落ち込むだけ。救いようも、楽しみようもない悲惨な物語。
謎解き感覚で観るのもオススメできない。ヒントがないわけじゃないけど、このラストに気づける人はほとんどいないと思う。観るならおとなしくラストを待つのが吉。
二回目を観ることはないかなー。原作は日本の漫画で、ハリウッドのリメイクもあるらしけどどっちもパスで。
どんでん返し好きで、過激な描写に耐えられる人は観ればいいと思う。かなりの衝撃を保証します。送料は負担しません。

最後にこれだけは書いとかなきゃいけないのが、主演のオッサンの、怒り叫びもがき苦しむ演技がやけに上手い。まさに迫真の演技。一見の価値アリ。
あと、鬱とはいっても少し温かみのある鬱になっております。画像検索してたらそれを表すいいキャッチコピーを見つけたので貼っておきます。

f:id:oops_phew:20170228235039p:image(実はカンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリを受賞している)