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『恋はデジャ・ブ』(Groundhog Day)

以前TSUTAYAに行った時にだいぶ強調されて置いてあって、ずっと気になってたやつ。日本人にとってはおそらく意味不明な原題に、うまい具合の邦題をつけられたパターンな気がする。

邦題からなんとな〜く匂ってくるよね、作品の雰囲気が。ハハーン、なんかよくわかんないけど繰り返すんだろうな〜、恋がデジャ・ブしちゃうんだろうな〜みたいな。 実際その通りで、あるオッサンが同じ1日を半永久的に繰り返すお話。毎日が2月2日。朝6時にリセット。同じ日だから起こる出来事は毎日全く同じで、タイミングも位置も、そのオッサンがいじらない限り1ミリもズレない。ズレるわけがない。

んーなんか、時間のループが繰り返すのって見覚えがある…それこそデジャ・ブだ…とか思ってたら心当たりが。『ミッション: 8ミニッツ』と最近観た『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』。他にもいっぱいありそう。調べてみると、前者は2011年の映画で後者は2016年の映画。でもってこの作品は1993年の映画。年季の入り方が違う。もう世紀からして違ってっから。こっちは20世紀の作品ですから!古いんです!あなたとは違うんです!(←ネタも古い)つって。 そしてこれは特に調べずに判断したことなんだけど、時間のループネタ、映画の世界に1993年時点ではないようであったかあるようでなかったかでいうと、あるようでなかった方だとおもう。

それにしてもこれ相当キツいよね。こんだけ毎日同じだったらノイローゼになるっつーの。毎朝6時には絶対ベッドの上にいることになってるもんだから主人公のオッサンも完全に頭おかしくなって、しまいには自殺とかし始めちゃうから。笑えねぇ。ついでにこのオッサンってのが『ゴーストバスターズ』でゴーストをバスターしてた俳優さんで、傍から見てるこっちとしては、まーた科学的には説明できないことに巻き込まれちゃったのかー、って感じ。

邦題に「恋」とか一丁前についてることからもわかるように、そりゃーもうわりとガッツリ恋のお話で、ちゃんと美人のヒロインもそれなりの存在感で出てくるわけ。これがただの時間のループに味付けをしていて、このヒロインをどうゲットするか、オッサンが毎日(といってもエブリデイ2月2日なのだけど)試行錯誤していくのが面白い。 面白いのもそうなんだけど、なんならちょっとコメディなんだけど、なんかちょっと哲学的でもある。そこらへんの難しい話は有名な映画評論家の町山智浩さんがお得意で、彼によるとこの映画はニーチェの「永劫回帰」っていう思想をたった2時間の映像で表現することに成功しているらしい。なるほどね。エーゴーカイキって、高校の授業でやったから知ってる。

(びじんさん)

そんな、ふざけた邦題からは想像できないくらい素敵でちょっと深めな作品となっております。

印象に残ったセリフは、主人公がヒロインに「最近同じ日が繰り返して困ってるんだよねー」って言った後に彼女が言ったヒトコト。

“Okay, I’m waiting for the punch line.”(で、オチは?)

信じられないバカげた話を聞いた時に使えるのかも?