『悪魔のいけにえ』(The Texas Chain Saw Massacre)

あぁ、二度と観たくねぇ。
すっげぇ面白いけど二度と観たくない映画ってあるじゃん。僕の場合だったら、『エスター』とか『オールド・ボーイ』とか。でもこういうのはほんとに面白いから、観たくないとかいいつつどうせ観直しちゃうんだけど、『悪魔のいけにえ』はたぶん一生観ない。それくらい、胸糞悪かった。観終わった後、放心状態になって、不快感と嫌悪感しか残らない。

なんでいきなりガチガチのホラーを観始めたかというと、
あたくし、実は、ホラーいける口なんです。
っていうのを言えるようになりたくて。(ほら、ちょっとカッコつけたいお年頃じゃん。)
多くの人が知ってるホラーの名作をチョイスしました。
いや、いけないわけではないんだけど、正統派のはあんま観ないからさ。食指がピクリとも動かないんだわ。

部活の合宿中、みんなが寝静まった後に一人で観たので必要以上にドキドキしながらあいほんの画面をみつめていたわけですが。レザーフェイス(この映画に出てくる有名な殺人鬼。チェーンソー持ってる。)が出てくるまでに30分くらいかかった。これがちょっと嫌だったな。そんなとこで焦らさんでええねんっつって。
テキサスの奥地に入ってった若者5人組が、ひとりずつレザーフェイスっていうやべぇやつ(とその家族)の餌食になっていく話なんだけどね。レザーフェイスが実質ひとりでおうちに住んでて、そこに何も知らない若者が探検がてら乗り込んでいくっていう。
レザーフェイスに襲われても周りにはだーれもいないのがわかっている絶望感。怪しげな家に差し込む夕日。悪趣味な内装。床いっぱいに転がる骨。これでもかってくらい不快なビジュアルを浴びせてくる。怖いっていうよりは、気持ち悪ぃ。 

f:id:oops_phew:20170807194540j:image(知らない人の家に勝手にあがりこんだら変なオッサンに殺されちゃうよっていう非常に教育的な一面もあります。)

この映画には、レザーフェイスがつけてる人の皮でつくった仮面とか、気の狂った家族の目も当てられないような気持ち悪い儀式とか、かなりキツめな描写がたくさん出てくるんだけど、やっぱり一番しんどかったのはレザーフェイスがチェーンソー持って森の中を追いかけてくるシーン。このチェイスはリアルで、本当に息が詰まった。(二度と観たくないので絶対に絶対に確認しないけど、)音楽とかなかったんじゃないかな?チェーンソーのウィ〜ンっていう音と、全力疾走で逃げる女の子のエンドレスな悲鳴しか聞こえなかったと思う。本当に怖いから、悲鳴もわざとらしいとかしつこいとか感じなかったな。

f:id:oops_phew:20170807194557j:image(シンプルに怖いです。)

ホラー映画だから、お約束通りちゃんと女の子がひどい目にあうんだけど、これが本当に悪夢としかいえないような地獄で、もし自分がこの主人公だったら絶対耐えられないし発狂してると思った。怖い映画たくさん観てきたけど、これ以上の恐怖体験ってないんじゃない?なにより、奥地だからこの気狂い家族以外の人が周りにいないっていうのが文字通り絶望でしかない。

f:id:oops_phew:20170807194612p:image(この子もわりと気が狂う寸前だったけど。演技とは思えない迫真の表情。)

レザーフェイスって、この一作だけじゃよくわからないキャラクター。こういう映画を観ていると、この殺人鬼はどうしてこんな人になってしまったんだろうって、生い立ちが知りたくなる。だって、生まれた時は僕たちと同じで純粋な赤ちゃんだったわけじゃん。たぶん。

レザーフェイスは映画の中では特に説明はされずに、ただ「得体の知れないやべぇ奴」みたいに描かれてるけど、よくみると特徴がちょっとわかる。例えば女装癖はあるだろうし、幼い頃からずっと親父に虐げられながら育ってきたんだろうなっていうのも推測できる。そして、焦るシーンとか、ラストのチェーンソー振り回して悔しがるシーン、全編を通じた行動の計画性のなさなんかをみてると、精神年齢が相当低そうっていうのもわかる。

多分、エド・ゲインっていう実在の殺人鬼をモデルにしているような気がする。後続の作品を観たら、レザーフェイスについて詳しくわかるのかな。興味あるけど、あんま観たくないな。

他のホラー映画とは明らかに異なる圧倒的リアルさがこの後味の悪さを演出しているんでしょう。

あぁ、それにしても、二度と観たくない映画に久しぶりに出会った。ガツンとやられたい人はどうぞ。