『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』("IT")

お久しぶりです。今年も早いものでもう大晦日ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
わたくし、今年はドラマと読書に時間を費やしまして、映画は50本くらいしか観ることができませんでした。
今年最後の記事は、最近観た10本くらいの中で僕が一番気に入った”IT”について書いていこうと思います。めちゃめちゃよかった。映画館で同じ作品を2回観ることはあんまりないんですけど、これは観ましたね。

『IT』の原作者といえばかの有名なスティーブン・キング。彼の小説はたくさん映画化されていて、『キャリー』、『シャイニング』、『ミザリー』、『グリーンマイル』、『スタンド・バイ・ミー』、『ショーシャンクの空に』などなど、挙げていったらキリがないです。
『IT』は1990年に一回テレビシリーズの映画として製作されています。主演はティム・カリー。これでピエロ恐怖症になった人も結構いるとか。

1990年版のは観たことないんだけど、2017年版のは「つかみ」がよかった。ペニーワイズ(←IT、ピエロの名前)が出てきてないのに画面から漂う緊張感。スクリーン裂けるんちゃうかってくらい。からのタイトルね。あのタイトルの出し方。カメラワーク。文字のデザイン。音の使い方。もう最高。オープニングの5分くらいでかなり惹きつけられた。

まず書くべきなのはペニーワイズについてかしら。これね、はっきりいって怖くはなかった。なんていうんだろう、ペニーワイズって設定上人間じゃないからこれでいいんだろうけど、リアリティがないんだよね。とてもCGっぽい。その点1990年版のはティム・カリーがメイクをしただけだったから、マジの狂ったピエロ感が出ていて怖かった。原作読んだことないからわからんけど、原作によせた方が怖くないっていう皮肉な感じになってる気もする。。。
今回のペニーワイズは『ダークナイト』でヒース・レジャーが演じたジョーカーに似てたなぁ。声とか口周りのよだれとか、目つきとか。ちゃんと狂っていて、観ていて安心できた。
そういえば、ピエロがこういう風にホラー要素扱いされるようになったのはいつからなんだろう。殺人ピエロ、ジョン・ウェイン・ゲイシーから?それとも、人間の根源的な性質のせい?調べてみるとおもしろそう。

でも、僕が好きだったのはペニーワイズなんかじゃなくて、子供たち。ホラー映画でありながら(そんな怖くないけど)、甘酸っぱい青春物語でもあるんです。かわいい思春期の子供達の成長譚でもあるんですよ皆さん!!
子供たちがITとたたかうお話なんだけど、ITが子供たちひとりひとりの怖がるものに姿を変えて現れるわけ。だから、そのたたかいの中で自分の恐怖心とか弱さと真正面から対峙して、克服していかなきゃいけない。その恐怖も大人社会の闇がもたらすものばかりで、思春期に克服しなければ前に進めないものでもある。
団体でひとつになってたたかうから、一体感とか、団結感とかもあってすごく心が揺さぶられる。しかも学校ではイケてない子たちの集まりで、自分たちのことを「ルーザーズ・クラブ」って呼んでたりするところとかもイイ。素直に応援したくなる。ITとのたたかいを通して、子供たちの自主性、主体性が育まれていく姿は必見。あと初恋とかもあったりしてね!!!!!キャー!!!!!!//////
子供達にとっては、ひと夏の思い出としても、大人になるきっかけとしても、大事な意味を持つ体験になったんだと思う。

f:id:oops_phew:20171231144917j:imagef:id:oops_phew:20171231144928j:imagef:id:oops_phew:20171231145032p:image(こんな感じ。7人です。)

子供たち、みんなかわいいんだけど、1人これは、って子がいて。紅一点、ベヴァリー役のソフィア・リリス。この子すごい好きだ。エイミー・アダムスとかエリザベス・オルセンに似てる。芯のある演技もするし、これから注目の女優さんだと思う。

f:id:oops_phew:20171231145122j:image(この子や〜!心を奪われた…)

今作は子供編だったけど、みんなが成長した後の大人編も原作にはあって、それも今度映画化されるみたいだね。今作は子供ならではの良さみたいなのがあったと思うけど、大人編はどうなるんだろう。今作みたいなどこか懐かしくて瑞々しい、青春物語風の雰囲気からどう変わるんだろう。今から楽しみです。